1150日目

 アイスクリーム会談。
仕事先で何故かアイスクリームの話になり、どのアイスクリームが好きかという話で盛り上がったのだった。もうじき暑い日がやってくるから、その様な話になったのだろうと思うが、その時に喋っていてお菓子を食べて悲しい気持ちになるのはウエハースだけでは無かったのを思い出した。
私はカップのかき氷が好きで、その中でもコーヒーフロートを良く食べている。カップのかき氷を食べる人はわかると思うが、蓋を開けて直ぐのかき氷は木のさじを突き立てるところがないほど綺麗な平面になっている。その平面のかき氷に木のヘラを突きたて力をいれて氷を一口分救い取ろうとすると、今度はその力がそのまま反動になって掬い取った氷を何処かに飛ばしてしまうのだった。
そうして毎回何処かに飛ばしてしまう一口のかき氷を見ながら、どうしてこうもうまくいかないのだろうと悲しい気持ちになってしまうのだった。
まあ、かき氷のコーヒーフロートは真ん中にアイスクリームがあるだけそこから外側に向かって柔らかくしていけばいいので、まだ食べやすい方だと思われるかもしれないが、私はその真ん中のアイスクリームでさえ何処かに飛ばしてしまうほどなのだった。木のヘラの力加減が未だに分からない。
かき氷の平面と格闘する夏がやって来ますね。


はね上げた氷粒さえ星空の一部になってしまう8月

1149日目

 毎月ジブリ。
今月もスタジオジブリ出版物から小冊子が届きまして、眠れない時に少しずつ読んでいます。今月の特集は風邪という事で、小冊子の半分が風邪の事について書かれた著名人らのエッセイが載っていました。
その特集では「風邪をひく事は身体の歪みをリセットする事だ」という、ある医者の言葉を元にして話を進めているのですが、そういえば私は最近体調をひどく崩す事がないので、これは以前にこじらせた風邪のおかげなのだろうかと考えています。
iPadに残っているこのブログの文章メモを読み返すと、今年の2月に一週間以上風邪で苦しんでいた記録があり、そこまでのひどい風邪以来、軽い風邪で体調を崩すという事も無く日々が過ぎています。これは素晴らしい事です。
ただまあ私は昔から季節の変わり目ごとに風邪をひいてしまうので、もしかしたら来月あたりにまた風邪をひいてしまうかもしれません。その時は諦めてゆっくり体をリセットするつもりで休むつもりです。
しかし、日記を読み返して思ったのですが、私は一週間も風邪に苦しめられていたのか。しかも咳が止まらなくて辛いとまで書いている。たった数ヶ月前の話でもすっかり実感がなくなってしまっているので、健康というのは普通の事だと慣れてしまうものなのだなと改めて思った次第。


デジタルの体温計の銀色が憎らしいまま平熱の朝

1148日目

 悲しいウエハース。
この日記ではお馴染みとなりましたお菓子の話です。夜中に食べるクッキーやチョコレートはとても美味しく幸せな気分になるのは、皆様も理解されることと思いますが、今日はとても悲しい気分でお菓子を食べていました。
コンビニエンスストアで偶然みつけた輸入物のウエハースが気になって、久しぶりにウエハースでも食べようと2つ買い、夜中にすこしお腹が空いたので買ってきたばかりのそのウエハースの包装をはずしました。
包装を外してから私がウエハースをどうしてあまり食べなくなったのかを思い出しましたウエハースというのは間にチョコレートやらクリームを挟んだお菓子ではありますが、挟むモノがどうにも軽くそして脆いので、包装からそのウエハースの欠片が机の上に零れ落ちてしまうのです。
今から食べようと思っていた気持ちを奪い取るような、ウエハースの欠片の散らばり方は一度見てしまうと悲しいものがあります。子供であれば、初めに食べる欲求の方が勝るので、零れ落ちるウエハースも欠片も構わず食べてしまうでしょう。
けれど、おっさんと呼ばれるような大人になると、どうしたって食べる時の見てくれや食べた後の始末が気になってしまいます。机に散らばったウエハースの欠片を眺めて、さてこれをどうやって捨てようかと考えている大人というのはやはりどこか悲しく見えてしまうものなのです。
夜中にお菓子を食べている事自体が悲しい事だというのは見なかった事にします。


ウエハスの瓦礫散らばる机上には心配をする人々もなく

1147日目

 今日は書く事がありません。
なのですぐに短歌に入りたいと思います。今週は各地で雹や雷が降るなど天候が荒れていて大変でした。テレビでは積乱雲がこのような現象を引き起こしているので、もし積乱雲を見かけたら気をつけてくださいと言っていたけれど、結局はそんなにまめに空を見る事はなかった。天気は天気予報をみれば十分だと思っている、天気予報の普及はここまでの影響を与えているのだった。
今日はこの辺で失礼します。


青空に積乱雲が広がって空の高さを消してしまった

1146日目

 地面を掘りなさい。
今現在地中をひたすら掘り続けているのですが、いつこの作業をやめたら良いのか分からないのです。朝になっても、もう少し掘れるかなと思っている私がいます。
今日購入したゲームが広い世界の中に一人放り出されて、後はその世界にある木々や動物や土砂や岩石を自由に使って、自分が満足するまで遊ぶという、言葉で説明しただけではいまいち伝わりづらい内容で、本当に面白いのかどうかさえ分からないゲームなのですが、なぜか今日の夜中から夢中で地面を掘り続けているのでした。
なぜそこまでして地中深く掘り進めているのかというと、その世界の地中には金やダイヤモンドなどの鉱物が多く取れる地下洞穴が存在しているので、大量に鉱物を獲得したいが為に掘り進めているのです。その鉱物を素材にすれば、地面や木々から効率よく素材を採取する為の道具が作れるので、その為にもまずは地下洞穴にたどり着く為に、ひたすら地面を掘り返しているのでした。
ちなみに掘り返した地面も物を作る時の素材として使う事が出来るので、その掘り返した地面は海を徒歩で渡る為の道の土台として使っています。この道を作る作業もついつい夢中になってしまうので、いつやめたら良いのかわかりません。なんという一人遊びの為のゲームなんだ。


突然に視界が開け満月が見えて なるほど地上は夜か

1145日目

 一文字違いの名前たち。
古本屋で適当に漫画本を手に取り中身を調べてみようとしたら、本の間から紙切れが落ちてきた。漫画本自体は古い頃に発売された物で、今では見かける事が少ないという代物で、前に別の古本屋で見かけて以来、久しぶりに見つけたので手に取ったのだった。
紙切れを開いてみるとそこにはたくさんの名前が書かれていて、一目見て気味が悪いなと思ったのだが、それらの名前は微妙に文字が変えてあり、そして名前の横には漢字の各部分をつなぐ様にして数字が書いてあったので、これはおそらくはこの本の持ち主が誰かの名前を考える時に使ったメモなのだろうと気づいた。
改めてその名前のメモを眺めていると、すべて名前の読みは同じだが頭の一文字だけがすべては違う漢字に置き換えられている。十通りの同じ読みで最初の漢字だけが違う名前が、そのように同じ紙の上に並べられているのを見ているうちに、それらの名前には違う未来があったのでは無いだろうかと思い始めたのだった。
このメモを書いていた人が、この名前の中からどれを採用したのかはメモだけでは分からなかった。ただそれらの名前を見比べている時には、その名前に合ったその誰かの人生を想像していたはずで、なるほど未来というのは自分で決める以前に、ここからすでに始まっているのかもしれないと思ったのだった。


他人から貰った名前で生きながらどれだけ名前を与えるのだろう

1144日目

 感情の起伏に触る。
どうにも自分の感情を把握できない時があり、つい激情して物に当たってしまう事があったりするのだけれど、それとは逆に自分の感情の変化に気づいて遠くから眺められる事がある。
今日は仕事場の女性から嫌味を言われてしまった。言った女性に嫌味のつもりでいったのかと聞く事はできないので、何も聞かなかった事にしてそのままにしていたけれど、その時に「あ、俺は不愉快な気持ちになろうとしている」と、遠くで眺めている自分に気づいたのだった。
感情というのは一体なんだろう。激昂している自分と穏やかな自分が同時に表れる事は無く、後で考えればどうしてそんな感情になっていたのかと思う事もある。けれど腹を立ててしまいそうになる自分に気づいて、それを眺められる余裕もある。その余裕はどの感情から出ているのだろう。
不愉快になりそうな感情の起伏を触りながら、今日一日はそんな事を考えていた。


不機嫌な私が踏めば信号が残像になり揺れて沈んだ

1143日目

 床が沈む。
家の玄関とその前の床を直したという話を書いていたと思うけれど、あの後自分の家の床が所々傷んでいる事に気づいた。
ニキビやかさぶたなど自分の身体の異変に気づいてしまうと、その部分がどうしても気になってしまう事と同様に、床も傷んでい事に気づいてしまうと、その部分が今はどうなっているか確かめたくて足を載せてしまうのだった。
特に自分の部屋の床が傷んでいる箇所が思った以上に広がっている事に昨日気づいてしまい、一体どうしてこんなになってしまっているのか不気味に思いながら、つい足を載せてしまっている。床が軋むぐらい沈むという事は無いけれど、足を載せるとその重みに床が耐えきれないと言っているかの様に少しだけ凹んでしまう。
その凹み方から、おそらくは床の下のフローリングを支えている木材が、経年変化で痩せ始めているから、フローリングと木材の間に隙間が出来て凹むようになっていると思われる。この家は私が生まれる前から建っているのだから、あちこちが壊れ始めていても仕方がない。
腐っていく家で親と共に暮らしながら、一体私はこれからどうしていくのだろうという不安感を抱えている。不安感に応える様に私の部屋の床は沈む。


病院の床をまっすぐ歩いては祖父の寝ていた病室に着く

1142日目

 一瞬の雨。
離れた場所では竜巻や雹で大変な事になっていたらしいけれど、ここら辺では急激な天気の変化だけだったので、翌日のニュースを見て被害の大きさを知ったのだった。
原付で仕事場に向かっている時には、夕方前とはいえまだ明るいと思っていたのだけれど、数分後に仕事場についた頃には空が一面真っ黒になり少しずつ雨粒が降り始め、仕事を始める頃には周りの音をかき消すぐらいの大雨になっていた。けれど、そんな大雨は数分程度の事で気づいた時には雨が降っていた気配だけが残っていて、降りそうな気配さえすっかり失せていたのだった。
あっという間の出来事というのは、こういう事でそれらの積み重ねで一日は作られていく。記憶に残る事も記憶に残らない事も、良い事も悪い事もすべてはあっという間に過ぎて、その気配だけをずっと追い続けながら、何時の間にか一生が出来上がってしまうのだった。


地面には雨の痕跡だけ残り 水たまりを歩く準備が足りない

1141日目

 喫茶店は無い。
昨日買えなかったYシャツをとにかく手に入れようと、服屋が開店する時間まで起きていた。眠い目をどうにかしながら、原付を走らせていると、そういえば開業してから一度も入った事が無かった服屋を通りに見つけて、吸い込まれる様に入店した。Yシャツを二着購入。
服が入ったビニール袋を抱えていると、陽ざしが強くなっているのに気づく。皮膚に刺さる様な太陽を感じながら、夏になったらこの陽ざしはどれほどの物になるのだろうと恐ろしくなる。ただ、毎年感じているのに感覚を思い出せないのはどうしてなのだろう。感覚はちゃんとあるのに、再現ができない。
ふとコーヒーフロートが飲みたくなる。こんなに暑い日には冷たい飲み物が飲みたくなるけれど、今はとにかくコーヒーフロートが飲みたくなってしまった。しかし、コーヒーフロートは何処にいけば飲めるのだろう。
おそらくは喫茶店だろうと、帰り道出来るだけ喫茶店のある場所を通って見たのだけど、一軒も見当たらない。昔よく見かけていた、あのコーヒー豆の看板が飾っているお店は何処に行ってしまったのだろう。仕方が無いのでそのまま帰りましたが、いつかこの夏までには飲んでやるぞコーヒーフロートと言ったところ。


微睡に変わったアイスクリームは誰かを待っていたのだろうか

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